Mar 30, 2011
借金返済は弁護士に相談しましょう
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東北関東大震災の影響により、東日本を中心に節電が呼びかけられている。ネオンの消えた渋谷の街を見て「こんな時期だから皆で協力しないと」と若者がインタビューに答える映像も目にする。首都圏で始まった計画停電は5月には一旦終了する予定だが、夏はさらなる計画停電が不可避だという。
【表:各製品の平均的電力、電気代】 【拡大画像や他の画像】
計画停電をはじめ、鉄道会社やそもそも東京電力管内で生活する多くの人たちの努力により、今のところ大規模停電は回避されているが、首都圏で大規模停電が起これば日本全体に影響する。多くの国民がこの災害に対し「何か自分にできることは……」と考える中で、不況で義援金を贈るほど余裕がない人でも、節電は自分にできることの1つであろう。
筆者の話になるが、自宅の電気代はピーク時(2009年)に年間20万2075円(月平均1万6800円)だったが、節電することでボトム時(2010年)には13万645円(月平均1万887円)と約35%減少した。今、自分自身ができることとして、こうした経験を元に節電についてのノウハウを共有したい。
●テレビの主電源は切らない
筆者が節電に取り組み始めたきっかけは、エコとか地球温暖化とかCO2の排出量削減とは関係なかった。2006年の年末にサラリーマンを辞め起業し、2年間は順調だったが2009年に400万円ほど収入が減り廃業の危機を迎えた。前年の好調だったときの収入で計算する国民健康保険や住民税を払うのも苦しい状況である。収入が減ったので支出を減らさなければならないと考え、水道光熱費の削減、住宅ローンの借り換えなどを行った。
その結果、ガス代もピーク時から年間7万1000円、水道代も8万5500円減少し水道光熱費は20万円以上削減できた。筆者の目的はエコじゃなくセコ(せこい)だったが、得られる結果は同じだ。今、国民全体で取り組むのは電気代の削減ではなく電力量の削減だが、その結果とし各自のて電気代が減るなら努力の甲斐があるだろう。
節電、および水道光熱費の削減のキーワードは「我慢」だ。戦時中は「ぜい沢は敵だ」と言われたらしいが、現在は「ぜい沢は素敵だ」の方がしっくり来る。素敵なことをどれだけ我慢できるかが重要となる。
現在、テレビや雑誌などの各種メディアが節電方法の紹介をし、待機電力を減らすために「テレビの主電源を切ろう」とか「使っていない電気機器のコンセントを抜こう」とか言っているが、筆者はテレビの主電源は切っていない。理由は効果が少ないから。同じ我慢をするなら、同じ労力ならより節電効果の高いことをするべき、というのが筆者の考えだ。
ちなみに筆者が現在使用しているテレビ「LED REGZA 37Z1」(東芝製)の待機電力は0.12W。仮に朝コンセントを挿して視聴し外出時はコンセントを抜き、帰宅してコンセントを挿し、お風呂に入るときに抜き、また挿して寝る前に抜いたとしよう。
コンセントを抜いていた時間が18時間なら1日で2.16W、1カ月で64.8Wの節電だ。2.16Wと言われてもピンと来ない方が多いと思うので、電気代(22円/kWhで計算:以下共通)に換算すると1日0.05円、1カ月1.4円となる。1500Wのドライヤーの使用時間を1日5.2秒短くするのと同じ節電だ。
同じ我慢(労力)をするなら何度もコンセントを抜くより5秒我慢する方が楽だろう。とはいえ数百万台のテレビのコンセントを抜けば、国内全体ではそれなりに効果はあるし、テレビの機種によって待機電力は異なる。現在、コンセントを抜いたり主電源を切ったりしていて、苦にならない人は継続していただきたい。
●電気料金の仕組み
過去5年間で筆者宅の電気代が最も多かったのは、2009年の1月で2万2764円(923kWh)。1年後の2010年1月は1万2639円(569kWh)と激減した。電力量は38.4%の削減、電気代は44.5%の削減となっている。電気料金は使った電力量に対しリニアなものではないし、単価もその時期により異なっている。また、記事中に出てくるW(ワット)やkWhという単位や、よく目にする22円/kWhということを理解するために、電気料金の仕組みを簡単におさらいしてみよう。
一般家庭の電気料金は「従量電灯B」という契約になっている。その内容は、基本料金として契約アンペア(A)、使った電力量によって増える3段階料金制度で構成されている。電力会社ごとに若干料金は異なり、加えて原油や石炭などの燃料価格の変動による燃料費調整制度で毎月微調整される仕組みだ。東京電力、東北電力、北海道電力、中部電力の価格は以下の通り。3段階料金制度の1段料金は120kWh以下で共通だが、2段料金は北海道電力だけ120kWhを越え280kWh以下、他の3社は120kWhを越え300kWh以下、3段料金も北海道電力だけ280kWh越え、他の3社は300kWh越えとなっている。
実際に計算してみよう。筆者宅の2009年の1月の電気使用量は923kWh。契約アンペアは40Aだ。筆者は名古屋在住なので中部電力の価格で計算を行う。
電気料金の計算ロジックを理解すると、電気を使いまくっている人ほど単価が高いことが分かる。当然、節電したときの削減額も大きくなる。この月の場合、調整単価も大きいので1kWh節電すれば24.47円の節約となる。
翌年を見ると、調整単価はマイナス0.62円なので1段料金は1971.6円大きく減っている。3段料金の単価も22.52円−0.62円=21.9円と1割以上下がっている。
住む場所や使う電力量、原油価格などによって単価が異なる電気料金の仕組みが分かっただろうか。そこそこ平均的な単価として、資料やニュース、記事などでは一般的に22円/kWhという値が用いられている。
電気のことも簡単におさらいしていこう。電気代の単価は1kWhとなっている。これは1kW=1000Wの電気製品を1時間(h)使用したときの値だ。ざっくり言うと1000Wの電子レンジを1時間、1500Wのドライヤーを40分、100Wの冷蔵庫を10時間使うと、それぞれ22円の電気代が掛かるということだ。
●夏と冬は電力のピーク
以下、2つのグラフを見ていただきたい。どちらも筆者宅の電気代のデータで、1つ目は毎月の電気代、2つ目は毎月の電気代を12カ月積算した年間の電気代を移動平均で表したものだ。毎月の電気代は上下に振れているが、オレンジの矢印が冬のピーク、青の矢印が夏のピーク、緑の矢印が春秋のボトムの推移だ。筆者宅の電気代は冬に大きなピークを迎え、夏は小さめのピーク、どちらも年々増えていったことが分かる。春秋はボトムの時期で、ゆるやかに増加している。
2つ目のグラフは季節ごとの変動を排除するために過去12カ月を足している。最初の2006年3月の数値は前年4月から2006年3月までの合計、翌月は前年5月から2006年4月と1カ月ごとにズラしている。前年同月より増えていればグラフは上昇し、減っていれば下降、同じなら横ばいとなる。2007年から急上昇し2009年の春にピークを迎え、夏はやや減少、節電を始めた秋から急速に減っていることが分かる。2007年から急上昇した理由は定かではないが、筆者が起業・独立し自宅で仕事をするようになったのが2006年12月なので、その影響が大きいと考えられる。どちらのグラフも下端は0円ではないので注意していただきたい。
筆者が節電を始めたのは2009年の秋。直前の夏は特に何かしたわけではなく自然減で減っている。2010年の夏が猛暑だったことは記憶しているが、2009年の夏が涼しかったのかは記憶にない。今年は昨年より花粉が多いと言われているので、一昨年の夏は涼しかったのかもしれない。
昨年の冬、そして猛暑だった夏は大幅に節電できたが、今シーズンの冬は残念ながら大きく“リバウンド”。全国的に節電が叫ばれているので、これ以上上昇しないようにと思っている。
本来は電気代ではなく電力量でグラフを作った方がいいのだが、電気代は銀行の通帳(途中からはカード会社の明細)から拾えるが、電力量は毎月の明細書を見ないと分からない。作業の楽な電気代の数値を使用しているのはご容赦いただきたい。それに、正確性では電力量のグラフが勝るが、節電したという実感は電気代の方が感じられるのではないだろうか。
当初、電気代が増えた理由として、筆者が独立しPC機器の電気代の上昇、あるいは子供達が高校、大学に進学し夜更かしするようになった照明代の上昇を疑った。だがグラフをよく見ると春秋のボトム時期はそれほど増えてはいないので、季節に関係ないPCや照明は大きな要因ではなさそうだ。疑わしきはやはり冷暖房ということがグラフから読み取れる。
節電に向け、まずは家庭内の電気製品を1カ月の使用時間で分類してみた。
→http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1103/24/news112_3.html
各製品の使い方は人それぞれなので、あくまで筆者宅の場合だ。例えば電子レンジは1回数分だが使用頻度は高い。音響機器(ステレオ)や乾燥機は1回の使用時間は1時間を超えるが、毎日使うわけではないので同じ分類としている。
節電に向けた次のアクションは各製品の電力の測定だ。7年ほど前から持っている「エコワット」を使用して大まかな電力を測定した。現在はもっと高性能な製品が低価格で売られているが、節電を始めたときは収入が激減し数千円の出費も惜しかったので新たな測定機は購入しなかった。このエコワットは低消費電力の製品について、消費電力の測定はできない。だが、だだ漏れの電気代を減らすことが目的なので、低消費電力の製品は節電の対象外だった。
今回の記事を執筆するに当たって「ワットチェッカー」を用意した。これは瞬間の消費電力を測定できるので、より正確な測定を行うことができる。では実際に測定した結果を見ていこう。
●冷蔵庫は「温度設定を下げること」「開け閉めの回数を減らすこと」
24時間通電している製品で目を引くのは冷蔵庫だ。使用している冷蔵庫は1999年製なので現在の製品よりたぶん消費電力は多い。スペックを見ると152W、1カ月の消費電力が38kWhとなっている。冬場はそれほどでもないが、夏場はかなりの電力を必要とする。冬場でもっとも少なかったのは正月に3日間不在だったときの47W。誰もドアを開けないし、暖房を使わないので室温も低い。開け閉めの回数と室温は消費電力に大きく影響する。冷蔵庫の節電の基本は温度設定を下げることと開け閉めの回数を減らすことだ。
冷蔵庫の問題は夏場だ。筆者宅の冷蔵庫は両側面から放熱する。夏場には触ると熱いと感じることもある。冷蔵庫は電力の測定も難しい。庫内の温度が上がるとコンプレッサーが駆動し庫内の温度を下げる。この時の放熱で側面が熱くなる。庫内の温度が下がるとコンプレッサーは止まるので側面の温度も下がる。ある程度長い時間を計らないと消費電力が測定できない。さらに測定データのバラツキも大きく、夏場は毎日計っても気温の影響で1割以上の差が出ることがある。
節電対策としてまず行ったのは保冷カーテンの装着だ。透明樹脂製ののれんのようなカーテンを付けることで開け閉めの時の冷気の流出を少なくする効果がある。電気代としての検証は難しいが、庫内の温度を測るとその効果は確かにある。
次に行ったのはレイアウトの変更。元々片側は壁で隙間が5センチくらい。反対側は食器棚で隙間が3センチくらいしかなかったため、夏場は中の食器が熱くなることもあった。隙間の温度を実測してみると38度。カウンターキッチンはレイアウト的に熱がこもりやすく室温も33度になっていた。空間を確保するため、食器棚の反対側にあった分別用のゴミ箱を冷蔵庫側に移動し上半分は大きな放熱空間を確保した。
ここからはかなり異例な施策だが、次に行ったのは送風ファンの設置だ。特に壁側は5センチ程度の隙間なので熱がこもりやすい。下から上に風を送ることで隙間の熱を押し出す作戦だ。デスクトップPC用の大型ファンが使えれば静かでよかったが、隙間が5センチしかないのでブロアーファンを用意し、手持ちのACアダプターをつないで駆動した。ファンの駆動に必要な電力は2W×2個で月に65円ほどだ。微妙にうるさいが夏場だけなので我慢した。
最後は水冷だ。最初の実験はコピー用紙とティッシュペーパーを濡らして冷蔵庫側面に貼ってみた。コピー用紙は水に強く作業性はいいが保水量が少ない。ティッシュペーパーはそこそこ保水するがすぐに破れてしまう。実験の結果、どちらも短時間に乾くことは確認できた。和紙のようなものがベストと考えホームセンターを探索するが和紙は高くて断念。価格、性能のバランスを考え選んだのは障子紙だ。数百円で数十回は貼り替えができる。
これを冷蔵庫のサイズに合わせて切り側面、上面、側面と被せるようにして磁石で固定、上面にスポンジを乗せ保水量を増やした。水は短時間でお湯になり数時間で蒸発する。欠点は自動的に適量の水を送り込む仕組みがないので、数時間ごとに水を足してやらないといけないので、労力が掛かることだ。たまに息子は手伝ってくれるが、奥さんや娘は全く興味がないので、筆者が出張すると完全に乾いた状態となる。
24時間の計測で、元々154W、146W、137W、153Wといった電力が、102W、116W、105W、105Wくらいに下がったのでそれなりの効果は出ている。昨年はブロアーファン、障子紙、スポンジ類、磁石などの初期投資をしたので電気代が下がってもほぼとんとん。今年の課題は自動給水する方法だけなのでメリットが出ることを期待している。
●トイレのふたは閉める
トイレのウォッシャー(温水洗浄便座)も10年以上使用しているので現在の製品よりも消費電力は多いと思われる。節電の基本は「ふたを閉めること」。便座の放熱を減らせるし、機種によってはふたがスイッチになっていて開けると温度を上昇させる仕組みだ。便座と温水の設定温度を低にすると15Wくらい。どちらも高にすると25Wくらいと消費電力自体はは微妙な感じだ。筆者は便座を低、温水を高が好みだが、奥さんは便座を高、温水不要なので、節電開始時に便座を低にしたときは強烈なクレームが来た。現在は奥さんの使用後は高になっているので、筆者は低に変更するといったことの繰り返しだ。筆者自身は温水の高を諦め低にして我慢している。
冬場はこんな感じだが、夏場は24時間タイマーを設置し完全にオフにする時間を増やした。24時間タイマーは15分刻みで電源のオンオフを行うことができる。価格は1000円弱。筆者は3時ごろに寝て9時ごろに起きるが、奥さんは12時ごろに寝て6時ごろに起きる。高校生の息子は朝は7時前に起きるが夜は不定期。大学生の娘もかなりバラツキがある。
24時間タイマーで朝5時半くらいにオンにして10時過ぎにオフ。家族が帰宅する夕方にオンにして夜中にオフといった感じで1日の半分くらいは通電を止めている。土日は昼間にトイレを使用する可能性が高いので手動スイッチで常時オン。この24時間タイマーは毎日同じ動作しかできないが、2000円くらいする製品はプログラム機能があり平日と休日で動作を変化させることができる。
筆者はセコが目的で節電を始めたので、コスト回収が早い低価格なタイマーを購入したが、コストを掛けてもエコを優先する方は高機能なタイマーの方が便利かもしれない。
●NASの消費電力はそれほど多くない
筆者宅は2台のNASが稼働している。250GバイトのNASは音楽ファイル専用、2TバイトのNASはデータファイルと映像ファイルとなっている。誰かのPCが音楽再生や映像再生をすると数時間稼働するが、とちらも10分でHDDの回転は止まる設定なので、ほとんどの時間は停止状態となっている。実際にはアクセスしなくても誰かのPCがネットワークに入るとヒュイーンと駆動音がするがすぐに停止するので実稼働時間は短い。消費電力もそれほど多くないし、電源を切ることで無用なトラブルが発生する懸念もあり節電対象からは外している。
●電話、ファクスは限りなくゼロだった
わが家で最も使われない家電品はファクスだ。一応名刺にファクス番号を書いているので設置はしているが、年に1枚送られて来る程度だ。コードレスフォンはそこそこ使用するが携帯電話と比べると頻度は少ない。消費電力が多ければ24時間タイマーを設置しようかと思ったが、限りなくゼロに近いので何もしていない。
今回は24時間通電するものの消費電力と節電方法を紹介した。次回はエアコン、テレビ、PCなど通電時間の長い製品について考えてみたい。【奥川浩彦】
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