Dec 09, 2009

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【鳴動】(中)

 大阪府知事の橋下徹が掲げる「大阪都構想」とは何か。大阪府と大阪・堺の両政令指定都市を解体・再編し、産業基盤整備などの広域行政を担う指揮官1人の「都」と、公選区長のもとで住民に身近な基礎自治を受け持つ10〜13程度の「特別区」に分ける−という姿を、橋下は思い描く。

 大阪府の人口約884万人のうち、大阪・堺両市は計約4割を占め、政令市として大きな権限も持つ。橋下は構想の目的について、府市間に存在する二重行政やバラバラな都市政策の解消を挙げるが、市の解体を伴うことに、大阪市長の平松邦夫は「都構想は都妄想だ」と激しく反発する。

 「大阪都構想について中身がない、具体性がない、もっと詳細な制度設計を示せという人は、組織再編のプロセスが分かっていない」。橋下がネットサイト「Twitter(ツイッター)」につづった言葉。近頃、こうした批判に、特に激しいいらだちを見せる。

 都構想の実現には、国会の議決を受けて地方自治法を改正するか、住民投票を経て特別法を制定する必要があり、越えるべきハードルは極めて高い。これに対し、先の批判も踏まえてか、最近は構想具体化のプロセスについて、事務方の大専従部隊を結成して制度設計を図り、住民投票で是非を問うという、これまでにない説明を加えている。

 橋下は今秋の大阪市長選に鞍(くら)替え出馬し、一気に市解体を進める構えも見せていたが、「市解体の作業は市職員じゃなくてもできる」と語り始めた。これを「知事を続けて制度設計に力を入れる意思表示では」と受け取る向きもある。

 一方で、橋下が打ち上げた地方変革のアイデアは各地に刺激を及ぼしている。

 1月25日、新潟県知事の泉田(いずみだ)裕彦と、新潟市長の篠田昭が共同で記者会見し、「新潟州構想」を打ち上げた。二重行政解消や基礎自治体の権限強化を目的とした合併構想。広域行政の司令塔を一本化することや、区長公選制とすることなど、大阪都構想との類似点も見て取れる。

 新潟県の人口は約237万人。新潟市は平成17年に13市町村と合併して人口約80万人になり、19年4月に政令市に移行したばかりだ。それでも両首長は、州構想を旗に、大阪などと足並みをそろえて国に自治制度の変革を迫り、地域主権改革のトップランナーとなることを標榜(ひょうぼう)している。

 「東アジアに向き合う都市をつくるには、政令市になっても新潟市だけでは力不足」。篠田は「州構想は、新潟が埋没しないために、このままでいいですかという市民への問いかけでもある」と述べる一方、「大阪都構想はわれわれにとってかなり参考になるし、下敷きにさせていただく」と素直に語る。

 だが、唐突感のある州構想に関し、複数の県議は「新潟州って何?」「議論のしようがない」と冷ややかだ。自民県議の一人は「知事の人格を知らないと理解できない。あの人は一言居士で、ただ国にモノを言いたいだけ」。別の県議も「県民100人に聞いても、1人か2人興味があればいい方だ」と語る。

 県幹部からも戸惑いの声が漏れる。「平成の大合併で県内の市町村は3割弱に減り、新たな街づくりを始めたばかり。そこでまた州構想かと…」。この県幹部は「本音を言えば、大阪で先行してやってもらい、様子を見たい」と話す。

 「地域の課題は地域で取り組み、完結できる仕組みを」と、のろしが上がった新しい自治制度構想。しかし、成就への道筋が視界不良の中で、「おぼろげな器」の先にあるものは、まだ見えにくい。

 保守系の新潟市議は、州構想は住民にこそ決断を厳しく迫るものだと指摘する。「権限と責任を受け持つ覚悟があるのか。住民は、その気構えを問われることになる」(敬称略) 

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 平松邦夫・大阪市長の当初予算案に関する記者会見の主なやりとりは次の通り。

 ■「新ステージ」「成長戦略元年」「住民自治確立元年」

 −−任期中で最後の予算編成だが、特徴は

 3年走ってきた中で、大阪市役所は図体がでかいので、まわり切っていない部分を何とか改善したいという思いで進めてきた。そういう意味で、3年の歩みの延長線上に予算を組めた。新たなステージへの発進と位置付けたい。市役所・区役所を変えていく。

 −−財政破綻(はたん)の危機は脱したか

 この後の景気状況によるが、我々の取り組みはかなり成果を上げている。中小企業の振興策や雇用支援策も含めると、回復に向けての助走を支援できる形になっている。

 −−区政改革案は、大阪府の橋下徹知事が代表を務める「大阪維新の会」の区長公選制への対抗か

 「地域主権確立宣言」という形で政令市の皆さんからも賛同を得た方向性を、さらに推し進めるとこうなる。区の予算編成権をもってない段階では、区長公選制はありえない。区長を公募している自治体もあるが、この方向の方がはるかに現実的で、かつ時間もかからないと信じている。

 −−区政改革の狙いは

 この3年、積み上げてきた方向性としての区政改革。別に大阪維新の会によって無理矢理、対抗策として出したものではない。区役所がいままで区民に寄り添った行政をしてきたかについては疑問を持っているので、変えようという形に進んでいる。

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